Bom Camino
- masaru
- 2016年3月30日
- 読了時間: 4分
巡礼道を歩いてると、いろんな人からかけられる言葉。
「Bom voyage!」
「Bom Camino!」
良い旅を!
良いカミーノを!
こんな言葉をほぼ毎日もらってるんよね。
キリスト教の事もようわかってないし、
ポルトガル語もろくに話せないのに、
目の合うほとんどの人がそうやって声をかけてくれるんよ。
ポルトガルかなり好きになってきたよ。
自然も豊かで、天気がよかったら最高の表情を見せてくれる。

今日で歩き出して10日ぐらいかな、、、
ワインで有名なポルトって街に到着。
今でようやく半分をちょっと超えたところ。
歩き出してわかったんやけど、
リスボンからサンティアゴまでの巡礼の道はどうやら、上級者向けらしい、、、
道が舗装されてないとか、
アップダウンが多いとか、
ってわけじゃないんやけど、
ただ、あんまりメジャーじゃないから、宿が等間隔にないってのが一番やと思う。
ポルトガルの道を歩く人は、だいたいが巡礼経験者ばっかり。
そんなことも知らず、てくてく歩いてる僕。
宿がないから、あるとこまで歩くしかなくて、結局1日8時間ぐらい歩いて宿にたどり着くねん。
宿って言っても、、、
巡礼宿なんて滅多になくて、、、
消防署がメインなんやけど、

ほとんどの消防署には巡礼者が泊まるためか、ベットかマットが用意されてる。
ほんで、この前消防署で泊めてもらうのお願いしたら、
「近くの学校が巡礼者受け入れてるから、そっちいってみな!」
って言われていったのが、

ここ。
滅多に歩く人がいないにも関わらず、今日僕が来るの知っていたかのようにマットと毛布が用意されてた。
シャワーは暖かいし、
夜は静かやし、
しかも、ビスケットしか持ってない僕に夕食と朝食まで用意してくれてん。
ほんまに嬉しかったんよね。
雨続きで夜体を冷やさないように寝てる僕からしたら、あったかいスープとパスタは体全身に染み込んでいって。
心も体もあったまった。
ただ自分の欲で歩いてるだけやのに、そこまでしてくれる優しさってなんなんやろ。
初対面で言葉も違って、ろくにコミュニケーションもとれてないのにそこまでしてくれる。
ほんで、道のいたるところに隠れるサンティアゴまでの道標にも、優しさを感じる。
誰かが書いてくれたんやろな。

ポルトガルの道800㎞やと思い込んでたんやけど、色々調べてると600㎞ってことが判明。
ってことはこれが半分まできたって証。
それと、前を歩く人たちが置いていく石ころ。
僕以外に頑張って歩いてる人がこれだけいるって思えるだけで、足が少し軽くなる。

目の前にいない誰かが与えてくれる優しさ。
なんやこれ、めっちゃありがたいぞ。
そんな思いで、僕も石ころを一つ追加。
次通る人に元気をおすそ分け。
この道を歩いてる人はほんまに少なくて、1日1人いればいい方やと思う。
そんな孤独な旅では、何処かの誰かが自分と同じように頑張ってるって思えるだけで、頑張れてしまう。
ほんとちょっとしたことで人の気持ちって、簡単にかわるんやな。
そして、自然。
思わず足を止めてまう。



こんな瞬間は、肩にのし掛かる荷物の重さとか、足の痛みとかがどっかいって目の前の景色に捕まってまう。
あまり景色に見とれてたり、考え事に夢中になってたら矢印見失ってまうねん。
今まで何回これで引き返したか笑
一つのことに囚われてたらあかんってことやな。
とか思いながら、来た道をとぼとぼ引き返してたら、
「カミーノの道こっちだぞ!!」
って教えてくれるおじさんがいたり。

ほんと、いろんな助けがあって歩かせてもらってるな〜って感じる。
今思ってる以上に、カミーノが終わったら贅沢な時間を歩かせてもらってたんやなって思えるんやろな。
ほんで、今回の巡礼で初めて一緒に歩いた、アメリカ人のおっちゃん。
ゆっくり歩いてるおっちゃんは、
「俺はカタツムリやぞ!」
って言い張ってました。
確かにでっかいリュック背負ってたった30㎞の道のりを1日かけて歩く。
僕もカタツムリやわな笑。

コーヒー飲むからまた後でねって言われたのに、数時間後僕の前を歩く彼。
「俺はNew Caminoを歩いてたんだ!」
と、ただショートカットしたことを誇らしげに高らかに話してくれるやん。
アメリカ人のユーモアってものに触れれた瞬間やな。
目的の街まで一緒に歩いて、ゴールして大ジョッキのビールで乾杯する瞬間がたまらなく幸せやった。
歩きながら考えることは山ほどあるんやけど、、、
1日30㎞って距離。
車やったら30分ってとこかな。
それを7時間も8時間もかけて歩いていくわけで。
でも、それでいいねん。
旅の仕方、
自分の生き方、
いろんなことに置き換えれるけど、自分の思うやり方で納得してれば全て良し!
失敗もする、
楽しくも辛くもある、
歩きたい日も歩きたくない日もある、
自分なにやってんねんって日も、
これでいいんやって日も、
自分の決断に後悔も山ほどする、
その後悔を次の一歩にできる日もある、
できない日もある、
でも、それでいいねん。
それが自分らしさやと思いたい。

ポルトで1日休憩して、残り半分歩いてきます。
そろそろ、
Bom Caminoから
Bien Caminoに変わりそうです。
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