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足りない何か。

  • masaru
  • 2016年4月11日
  • 読了時間: 5分

初めての歩きの旅。

無事に606km歩ききる事ができて、カミーノ巡礼が終わりました。

ほんで、、、

「カミーノ歩いてどうやってん?」

って話なんやけど、、、

率直に言うと、自分の中でなんか足りないものがあったんよね。

スタート地点に選んだリスボンから歩き始めたんやけど、

やっぱり普段30km以上歩く事なんてないから、もちろん体にガタがきて、

足裏が痛かったり、

できた事ない場所に豆ができたり、

筋肉痛ももちろん、

ちょっと重すぎた荷物で肩も痛いし、

おまけにヘルニア持ちってのもあって、

始めてから3日ぐらいは参ってたんよ。

3日歩き続けてるのに100kmちょっとしか進んでない。

まだ6分の1もいってないって思ったら、この先大丈夫か?って感情に襲われてた。

何をしてもいい旅で、自分で選んでやってるのに、

実際に始めてみたら、なぜか出てきてしまう。

「思ってたのと違う。」現象。

もちろん、どんな事してても思い通り行く事の方が少ないんやけど、

体力と筋力には自信がある自分が、ここまで打ちのめされるとは思ってなかった。

でも、不思議な事に日に日に体は慣れてくるもので、足の痛みは軽くなって周りの景色を楽しめるようになってきてる自分もいたり、、

ほんま、人間って良いも悪いも環境に慣れることができてまう。

ほんま不思議やなぁ〜って考えることが多かったな。

毎日4時起きの生活続けてたら、1ヶ月もすれば体が勝手にその時間に起きるようになってくるし、

熱いものとか辛いもの嫌いでも、食べなあかんかったら食べれてまうし、

この「慣れ」ってのをうまく使えればいろんな可能性が見えて来る気がする。

そんな道中で、3日に1人ぐらい巡礼者と出会うんやけど、一緒にあるいて色んな話をする。

人それぞれ理由はあるやろうけど、

静かな田舎の中でゆっくり歩きながら一緒に過ごす時間は、本当贅沢なひと時やったな。

って今振り返ったらそう思うな。

ほんで、

歩くこと350km、ポルトに到着。

ワインで有名な素敵な素敵な街。

着いた日は雨がすごかったから、黒いカッパでびしょ濡れの人なんて僕しかおらんくて、ちょっと人目を気にしてしまうぐらいやったね。

この街で1日だけ休憩。

観光がてら、

街を歩いたり、

ワイン買ってみたり、

ちょっと洒落たとこでコーヒー飲んでみたり、

いよいよ後半戦。

残り250km

相変わらずの天気で、出発した日も雨やったかな。

雨が続くと辛い。

晴れたら気分が良い。

雨の時楽しめれたらどんだけいいか。

でも、よくよく考えてみたら、雨降ってる時の方が色んなこと勉強させてもらってる気がする。

晴れてたら、景色もいいし、気温も丁度いいし、快適に問題なく歩けるんやけど、

雨の時ってやっぱり、問題が多発するんよね。

体が冷えないように、

カバンが濡れないように、

足元に気を配って、

濡れて重くなる荷物を背負って、

辛いことが多いんやけど、なんかそういう時に成長させてもらえてるって実感出来る。

ポルトからサンティアゴまでの道のりで、大きく変わったこと。

巡礼者の数が爆発的に増えたこと。

1日何組の巡礼者にあったやろな、10組以上じゃないかな。

一つの観光要素も含まれてるんかな。

ポルトまでの道のりでは、巡礼者みつけたら必ず話しかけてたのに、

これだけ増えてしまったからか、より一人になろうとしてた気がする。

一人の時は、人が恋しくて。

人が多い時は一人が恋しくて。

なんかずっと無い物ねだりな気がしてしまう。

休んだら、歩けばよかったって思うのに、

休まずに歩いたら、休めばよかったって思う。

隣の芝は青いって諺はよくできた言葉やなって感心してまう。

それと、ポルトからの道のりは、宿もいい距離にあって、綺麗で広くて暖かくて、、、

快適でいいんやけど、

そこの受付の人は、どこか仕事をこなしてるような雰囲気がして、、

巡礼の前半は宿もそんなになくて、消防署泊めてもらったり、一部屋使わしてもらったりで、その人たち一人一人の気持ちが綺麗に表れてたように感じた。

国が援助してくれてるんやろうけど、どこか仕事になってしまっててんね。

ちょっと残念。

毎日100人ぐらいの人が入れ替わり立ち替わりしてるから、そうなるのもしかたないんかもしれんな。

そんな、モヤモヤした気分で歩いてるとゴールのサンティアゴの教会についた。

「よっしゃ!ついた!」

って気持ちじゃなくて、

「いつの間にかついてた。」

ってのが正直な気持ち。

工事中ってのもその理由の一つかもね。

スタートした時に思ってた、

「ほんまに600kmもあるけるんか?」

って気持ちが3週間経つと、

「あぁついたか。」

に変わってしまってる。

こればっかりは、自分の気持ちやから嘘はつけへんのよね。

巡礼者を迎えて毎日12時にミサが開かれる。

神秘的な時間やった。

スペイン語でミサが進められてるから、なに言ってるかわからんけど、その場の雰囲気、空気感はビシビシ感じた。

サンティアゴの巡礼宿で仲良くなった友達。

真ん中の3人はこれから、巡礼のもう一つのゴール地点Fisterraに旅立った。

フランス

コロンビア

アルゼンチン

ほんと世界中から巡礼者が歩きに来る場所。

ほんでや!

この巡礼で感じてしまった、足りない何か。

なんやったんやろな。

多分原因は自分の中にあるんやろうけど、、、

体力が有り余ってた?

巡礼の目的がなかった?

何が足りんかったんや、、、

でも、「足りない」ってことがそもそも悪い言葉じゃないのかもしらん。

足りないってことは、まだ付け足せる何かがあるって事やし、

自分にはまだ可能性があるって事でもあると思うし、

「足りなかった」って後悔があるから次があるわけで、

足りない事を恥じる事はなんもないんやと思いたい。

生まれたばっかりの赤ちゃんも、

学校に通ってる学生も、

スーツ着て働いてる人も、

総理大臣も、

宇宙飛行士も、

ほんで、自分も、

今日っていう毎日をぶっつけ本番で生きてる訳で、

失敗ない方がおかしいと思う。

失敗してなんぼやと思うし、

完璧な人はおらんし、

「足りない」「中途半端」

それが当たり前な事を気づかせてくれたのかもしらんね。

足りなかったら、何を足せばいいか考えれば良いし、

中途半端でも、なんもできてへんよりずっとましやし、

「なんか物足りへんかったな〜」

っていってるわりに、色んな事を教えてもらった気がします。

巡礼中に助けてもらった、たくさんの人と自然に感謝の気持ちをもってサンティアゴを去ろうと思います。


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